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レビュー詳細

印象カラー:

情熱

ミ缶

投稿日:2025/11/23

本のタイトル

推し、燃ゆ

著者名

宇佐見りん

出版社

河出書房新社

発行日

2020年09月30日

ISBN

9784309029160

あらすじ

高校生の「あかり」はアイドルグループのメンバー・上野真幸を“推す”ことで生きている。 学校にも家庭にも馴染めず、感情の置き場を見失っているあかりにとって、推しの存在は唯一の拠り所だった。 しかし、真幸がファンを殴ったというニュースをきっかけに、あかりの日常は少しずつ崩れていく。 「推す」ことで生きてきた少女が、その先に見つけるものとは――。

レビュー本文

推しにすべてを捧げるあかりは、推しの炎上によって一気に生きる軸を失います。 あかりにとって推しはただのアイドルではなく、現実とうまく噛み合えない自分をつなぎ止めてくれる生存手段であり、唯一の居場所でした。 そんなあかりが、本当に苦しい出来事を通して、“推し”ではなく“自分”に目を向けざるを得なくなる瞬間があります。 「推しがいるから生きられる」から「推しがいてもいなくても生きていく」へと向かう小さな一歩は、現代を生きる私たちにも通じるものがあると思いました。